この記事では、このような方のために作品作りのヒントとなる撮影方法を紹介します。この記事を参考に自分のアイデアを形にすれば、いつもと違う写真が撮れるでしょう。
蝶の写真を撮るときこんな悩みはありませんか。
写真に収めることしか考えられず、いつも同じ構図になる
図鑑のような写真になってしまい面白みがない
背景など周りの環境を取り入れたいけどうまくできない
太陽の向きを意識して撮影
自然光で撮影することが多い蝶の写真では、太陽の向きを意識することが重要です。
太陽を利用した撮影のヒントを3つ紹介します。
羽を光に透かす
順光で色をきれいに見せる
太陽を構図に取り入れる
1.羽を光に透かす
蝶の羽を逆光で撮影してみてください。光を受けて神秘的に輝く羽を撮影することができます。
このような写真を撮影する場合、太陽、蝶、自分との位置関係が重要です。上の写真のように、蝶の後ろに遮るものがない状態を狙いましょう。
姿勢を低くして、少し見上げるように撮影することも大事です。
蝶の位置をコントロールすることはできないので、自分が動いたり、ベストな環境を探したり。理想の状態が見つかるまで根気よく撮影のチャンスを探しましょう。
下の写真は産卵中の蝶です。
このような生態写真は図鑑のような写真になりがちですが、羽を光に透かすことで神秘的な写真になりました。
ぜひ様々な場面で逆光を意識した写真を撮影してみてください。
2.順光で色をきれいに見せる
羽の色や模様が美しい蝶の場合、順光での撮影がおすすめです。
順光にすることで、鮮やかな色がよく分かる写真になります。
でも、強すぎる光は色が薄く見えてしまいます。曇りの日や太陽が雲に隠れた瞬間を狙うと鮮やかな色の写真が撮れるでしょう。
曇りの日もいい写真が撮れると思うと、出かける機会が増えるのではないでしょうか。
3.太陽を構図に取り入れる
もっと大胆に写真の印象を変えたい方は、太陽を入れた構図を考えてみましょう。
下の写真は、木の陰で休む蝶を太陽と一緒に撮影しました。
この写真のように太陽の光条(光芒)を出すコツは次のとおりです。
絞り込んで撮る(F値を上げる)
太陽の光を木や葉で遮って小さい点光源にする
レンズにもよりますが、F値は11以上に絞ると良いでしょう。
快晴の太陽をそのまま撮影してもきれいな光条は出ません。木や葉で太陽が隠れる場所を見つけてください。少しだけ光が漏れて小さい点光源になる位置を探すのがポイントです。
動いている蝶を太陽と一緒に撮影するのは難易度が高いので、止まっている蝶を探してください。
撮影できそうな蝶が見つかったら、角度を変えて太陽を構図に取り入れてみましょう。
太陽を入れることを意識して蝶を探していると、いろんなアイデアが出ます。
下の写真のように大胆に切り取るのも良いと思います。
逆光なので蝶の羽は少し暗めになっています。蝶が明るく写っていた方が良いと感じることもあると思います。
そんなときは、Luminar Neoの「リライト」という機能を使ってみましょう。
リライトでは、AIが被写体の位置を検出して、指定した部分の明るさを調整することができます。
今回の写真の場合、手前にいる蝶の羽を明るくしたいので、「近くの明るさ」を上げます。
リライトで明るくした写真がこちら。
「近くの明るさ」を上げるだけの簡単な作業で暗くなっていた蝶の羽を明るくすることができました。
この機能は逆光で暗くなってしまった写真で役に立つので、ぜひ使ってみてください。
ボケを利用した表現
ボケを入れた構図にすると、奥行き感のある写真になります。
次のことを意識して撮影しましょう
F値は開放に近い値(小さい値)にする
姿勢を下げて撮影する
何を前ボケにするか考える
絞りを開放で撮ると、被写体がぼんやりした写真になるのではと気になるかもしれませんが、問題ありません。
上の写真も開放のF2.8で撮影しています。
ボケは絞り値以外に次の要素が関係しています。
カメラと被写体の距離
被写体と背景(前景)の距離
カメラと被写体の距離が長ければボケは弱くなります。
蝶の写真は、望遠レンズで離れたところから撮影することが多いので、開放で撮影しても蝶にしっかりピントが合った写真が撮れます。
被写体にピントが合った状態で、背景と前景が被写体から離れていれば、背景と前景がボケます。
このことを利用したのが下の写真です。
開放F2.8で撮影しました。
背景と被写体に十分な距離があるので、背景はボケて玉ボケになっています。
前景は、カメラのすぐ近くの葉を入れて前ボケにしました。
背景と前景はボケていますが、被写体はくっきり写っています。
このような撮影で大事なのは、姿勢を低くすることです。
蝶を真横から捉えるような位置に構えると、周りの草花を前ボケとして利用しやすくなります。
何を前ボケにするかを考えて、自分と被写体の位置を調整するようにしてください。
より大胆に前ボケを利用するのも良いでしょう。
下の写真のような状況で、前ボケと蝶が重なる位置に移動してみました。
蝶と前ボケが重なる状態で撮った写真がこちら。
緑に覆われた幻想的な写真になりました。
ボケを利用して撮影することを意識すると、いつものフィールドも違った世界に見えるのではないでしょうか。
背景を意識した絵作り
上の写真のように分かりやすくきれいな背景にすることはよくあると思います。
とてもきれいですが、誰もが撮影する状況でもあるので、独自性がなくなってしまいます。
いつもと違った写真を撮るために背景を意識した絵作りのヒントをお伝えします。
次の2つのことを意識して撮影しましょう。
F値をコントロールして背景を作る
角度を変えて背景を変える
1.F値をコントロールして背景を作る
同じ背景でも、F値(絞り)を変えるとまったく印象が違う写真になります。
背景の状況が伝わる写真にしたい場合は、F値を大きくしましょう。下の写真はF16で撮影しました。
蝶の隅々までピントが合っていて、蝶が止まっている植物と背景もしっかり認識できる写真になっています。
環境を伝えることを重視する場合は、このように絞って撮影すると良いでしょう。
逆にF値を小さくして撮影した写真がこちらです。
背景は玉ボケになり、幻想的な雰囲気ですね。
被写界深度が浅いので、蝶の羽の一部分だけにピントが合っています。視線はピントが合っている部分に向かうため、羽の美しさを強調することができます。
背景は雰囲気作りに利用して、被写体の一部分に注目させたい場合は、F値を小さくして撮影してみてください。
2.角度を変えて背景を変える
同じ場所で撮影するときでも、少し角度を変えるだけで背景がガラッと変わり、全く印象が違う写真になります。
下の写真のような状況で撮影する場合を見てみましょう。
蝶の後ろには、白い建物の壁と緑の植物があります。
この2つを背景に取り入れた写真がこちら。
中心に緑の背景を持ってきて、そこに蝶が来るようにしました。そして、緑の周りを縁取るように壁の白を配置しています。
周りの白色が額縁のような効果を作り出しています。
次は、少し角度を変えて、白い壁だけで背景を作ってみました。
白いキャンバスに描いたようで、他の色がないため、蝶の鮮やかな色が強調されます。
蝶の色や形の美しさを伝えたい場合は、このような背景も良いでしょう。
これら2つの写真は、まったく同じ場所に止まっている同じ蝶です。
少し角度を変えただけで、これほど雰囲気の違う写真を撮ることができます。
蝶を見つけたときに、ただそのまま撮るのではなく、何を伝えたくて撮るのかを考えて背景を選ぶようにしましょう。
まとめ
蝶の写真をワンランクアップさせるためのヒントをお伝えしました。
次のことを意識して撮影してみましょう。
太陽の向きを意識して撮影
ボケを利用した表現
背景を意識した絵作り
逆光にして蝶の羽を光に透かして撮影すると、神秘的に輝く蝶を撮影することができます。
反対に、順光にすると鮮やかな羽の色を活かした写真になります。何を見せたいかを考えて太陽の向きを選ぶようにしましょう。
また、太陽そのものを構図に取り入れることもおすすめです。
時間や天候によって変わる太陽をうまく利用して撮影しましょう。
ボケを利用した表現としては、背景を玉ボケにしたり、前ボケを利用したりということが考えられます。構図の一部に前ボケを取り入れるだけでなく、蝶と前ボケが重なるように撮影し、写真全体をボケで覆うのも面白い表現です。
何をボケさせ、何を写真に入れるかを考えることが重要です。背景、被写体、カメラの位置を調整して、自分のアイデアを活かした作品を作ってみてください。
背景の選択は非常に重要な要素です。
同じ環境で撮影する場合でも、絞りを変えたり、角度を変えたりするだけで、全く印象の違う写真になります。
背景を含めた環境が伝わる写真にするか、雰囲気作りに背景を使うか、真っ白な背景で蝶の色を強調するか。
少し視点を変えるだけで様々なバリエーションが考えられます。
この記事でお伝えしたことをヒントに自分のアイデアも取り入れて作品を作ってみてください。
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